事例3(H27年度)再現答案

製造業に従事した経験はありませんが、問題及び解答をパターン化しやすいため、個人的には事例3が最も安定して得点できる科目だと感じていました。

品質・コスト・納期のうち品質が弱みになるケースは考えにくいため、コストや納期の改善が主テーマになるかと思います。

H27年度の再現答案をアップしました。参考になれば幸いです(開示請求の結果は合計点数のみで設問別の点数はわかりませんが、自分が思う設問ごとの点数を再現答案の後に記しています)。

第1問

C社では、現在取引している産業機械部品メーカーから新規に自動車部品の生産依頼があり、新規受注の獲得に向けて検討している。この計画について以下の設問に答えよ。

H27事例3第1問

設問1

C社が自動車部品分野に参入する場合、強みとなる点を2つあげ、それぞれ40字以内で述べよ。

H27事例3第1問(設問1)

鋳造工程、機械加工工程、塗装工程の一貫生産体制と増強された鋳造工程の生産能力。
鋳造技術に精通した中堅エンジニア3名の営業部による新市場開拓などの営業力。

【自己採点8点】
生産面とそれ以外の面から一つずつ強みをあげることを意識しました。

設問2

自動車部品の受注獲得は、C社にとってどのようなメリットがあるのか。100字以内で述べよ。

H27事例3第1問(設問2)

メリットは、①新規受注獲得による売上向上、②新製品に取り組むことによる技術・ノウハウの習得、③取扱製品の幅が広がることによる経営リスクの分散、④取引先との関係性強化が考えられ、受注獲得を目指す。

【自己採点10点】
③は「公共事業予算の縮小や海外製品との競争激化」の視点からより具体的に記述してもよかったかなと思います。

自動車部品の受注獲得には、自動車業界で要求される短納期に対応する必要がある。そのためにはどのような改善策が必要なのか、100字以内で述べよ。

H27事例3第1問(設問3)

改善策は、①仕掛品置き場を一か所に決めて現品管理を徹底することで、フォークリフトによる製品の移動をスムーズにして、②機能別レイアウトにすることで、機械加工工程の作業の設備間移動を低減し、短納期化を図る。

【自己採点10点】
製造リードタイムが長期化している原因を特定し、そこから改善策を考えました。

第2問

C社の設備投資は、鋳造工程が優先されてきた。これによって生産工程に生じている問題点と、その改善策を100字以内で述べよ。

H27事例3第2問

問題点は、機械加工工程がネック工程で残業が恒常化してコスト増となっていることである。改善策は、①ラインバランシングによる平準化、②多能工化による応援体制の構築、③段取り作業の標準化、内段取りの外段取り化。

【自己採点15点】
改善策は最終段落に記載されていることをヒントにより具体的に答えるとよかったと思います。

第3問

C社は、納期遅延の解消を目的に生産管理のIT化を計画している。それには、どのように納期管理をし、その際、どのような情報を活用していくべきか。120字以内で述べよ。

H27事例3第3問

C社は、鋳造工程だけでなく全工程を生産計画の範囲とし、工程担当者任せとなっている加工順を全体的に考慮して決定し受注品の進捗・余力管理を徹底する。活用すべき情報は、納期や数量等の受注情報や見込生産品の在庫情報、受注生産品の進捗余力情報である。

【自己採点14点】
1次試験の知識を思い出しながら解答しました。

第4問

海外製品との競争が激しい時代の中で、今後もC社は国内生産を維持する考えである。そのためにC社が強化すべき点は何か、その理由とともに140字以内で述べよ。

H27事例3第4問

強化すべき点は、①若年人材が少なく高齢化が進んでいるため、熟練技術のマニュアル化等による技能承継や若手の確保・育成、②顧客からの軽量化、複雑形状化要求が高まっているため、鋳造技術の向上、③機械加工工程の稼働率が低いため、段取り作業の標準化等による生産能力の向上である。

【自己採点14点】
「若手人材確保が難しく、高齢化が進んでいる」が未対応だったので、これはここで解答することが求められているということはすぐ分かりました。だた、字数的にもう一つ解答する必要があると思いましたが、それについては外しているかなと思います。

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